法政大学
冷たい雨が降っていますね。でも今日は雪という予報でしたので、はずれて本当に助かっています。
おとといはセミナーで市ヶ谷まで行ってきました。向かう途中、予定よりけっこう早く着きそうだなーと思ったので、1つ手前の飯田橋で降りて、市ヶ谷の研修会場まで歩いてみることにしました。
というのはそこには僕の出身大学である法政があるからです。急にちょっと寄ってみたくなりました。実際大学に通っていたのは27年も前の話で、大学に立ち寄るのももしかしたらそうとう久し振りかもしれません。
僕の父親は僕が17の時に死んでしまい、一時は大学進学をあきらめようかと思った時もありました。しかし母親の支援のお陰で人なみに大学へ行かせてもらうことができ、今思うと本当にありがたいことです。
ただあの時は進学となると頭には法政しかなく、ひたすら法政にあこがれていました。というのも当時日本のテニスのトップ選手はほとんどが法政出身だったからです。しかし結局念願の法政に入学したものの、母子家庭という理由でテニス部入部を断念してしまいました。アーあの時テニス部に入部していたらどんな人生になっていたんだろうなー…
なんてことを考えながら大学まで毎日(ではないかな?)通った外堀の桜並木を久しぶりに歩いてみました。行きかう後輩の若い連中に怪しい目線を送りながら、そしてあー自分もあの頃はこんなだったんだろうなーとついつい感慨深くなりながら…
大学の入り口まできてみると、右の方になんと30階くらいはありそうな超近代的なビルディングが建っていました。これは校舎でしょうか? 左側を見ると学生運動の拠点になっていて、ときどき内ゲバで死者が出たりしていた学生会館が取り壊されていました。また新しい建物が建つんでしょうか?
時計を見るとまだ時間があったので、僕は思い切って中に入ってみることにしました。いったいどうなっているのか? 自分が通っていた頃と変わってしまっているのだろうか? そんな思いをつい確認してみたくなってしまいました。
真正面に掲示板、休講のお知らせを見ていつも喜んでいたところです。入り口を入ると学生ホール… あーあの頃のままだ! 感動です! ここで何をするでもなくみんなでたむろしておしゃべりをしていたところです! 雑然としてきったならしい1階と、ホール2階に上がる階段、昔のままです。ウオー!って叫びたい気分でした。表情は平静を保っていましたが、心の中は感動の嵐が吹き荒れていました!
ふと見ると昔の自分にそっくりな、いや自分そのものが向こうから歩いてくるじゃありませんか! あの頃の体型に、あの頃の顔、そしてあの頃の服装で… 本当にビックリです! ど、ど、どうなってんだと思って昔の自分をじっと見ていると、向こうの自分もこっちに気づいたようで、はっとした顔をしてしばらく動けなくなってしまいました。そしてやっと搾り出すようにひと言叫びました。「お、お、お父ちゃんなんで生きてるんだ…」
なんてことを考えながら僕は大学を後にしてセミナーの会場に向かいました。そう、ごめんなさい… 昔の自分に出会ったってところからはフィクションです。でもふとそんなことを考えてみたくなるような体験でした。昔のノスタルジーにすっかり浸ってしまい目にはうっすら涙がうかび、それがすれ違う後輩の若い学生たちに気付かれないように、また気恥ずかしい気持ちを悟られないように、うつむき加減で、背中を丸めて、トボトボと研修会場へと向かう49歳の僕がそこにいました。
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